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定容燃焼器における火炎伝播シミュレーション
炭化水素系燃焼時に、火炎反応帯近傍にはイオン濃度の高い領域が形成される。火炎には電気的な性質があるためイオンプローブ法でイオン電流を計測することができる。
自動車のエンジン内で火炎から発生するイオン電流を検出し、それをもとにエンジンの点火時期を制御することで、エンジンを効率よく稼働させる研究がある。
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今回は
●体積変化がなく,燃焼現象が簡単
●単発燃焼が可能
●火炎が伝播する様子を確認できる
ことから「定容燃焼器」を用いてイオン電流の研究を行った。
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イオン電流検出システムイメージ図
(ダイハツ工業(株)ホームページより)
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1. 研究目的
自動車エンジンの研究で得られている;
●イオン電流極大値が2つ検出される
●イオン電流極大値が排気後に検出される
ことの要因を解明するには、実験だと燃焼器内部の圧力や温度分布などがわからないことと、時間変化によって発生する化学物質を調べることができないこと、から数値流体力学のシミュレーションコードである「PHOENICS」を用いて解析した。
2. 解析の内容
現象は多段反応であるため、PHOENICSが持っている反応速度論に基づく化学反応解析機能(CHEMKIN)を用い、下記のようなメカニズムファイルを与えることで計算した。
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・Arrhnius形式の反応式
k=AT^B exp(-E/RT)
k:反応速度
A:頻度因子
E:活性化エネルギー
T:絶対温度
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解析条件は以下の通り
座標系 :XY2次元座標系(95×55=5225メッシュ)
時間依存性 :非定常計算(0.04秒を100step、Δt=0.0001秒)
成分 :メタン(CH4)、酸素(O2)、窒素(N2)、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)
燃焼条件 :メタンー空気の予混合燃焼、当量比は1.0
温度境界条件:断熱
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メッシュ図
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反応式 : CH4 + 2O2 ⇒ CO2 + 2H2O
物性値 : 空気 分子量 28.76
N2(分子量28) 76.2 wt% O2(分子量32) 23.2 wt%
CH4 + 2/0.232×(0.762N2 + 0.232O2)
⇒ CO2 + 2H2O + 6.57N2
当量比=1 、メタン 16g 空気 287.6g (総量 303.6g)
N2 213.36g O2 74.24g
3. 解析結果
@火炎反応帯
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A化学種質量分率の時間変化
メタンの総括反応式は
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Bメタンと酸素の分布(計算開始7msec後)
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研究室でのPHOENICSの適用例
・冷蔵ショーケースにおけるエアカーテン
・LED照明の排熱設計
・エアコンの膨張弁における気液二相流
・プールにおける塩素濃度拡散
・スイマー周りの流れと抵抗
・同心二重円筒における気液二相流 |
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