鼻腔の上気道の通気障害においては、これまで「鼻腔通気度計」や「Polysomnography(PSG)」などの機能検査やMRI、CT、側面頭部エックス線規格写真などの形態検査が行われています。
しかし、通気障害の部位を特定する検査方法は確立されているとはいえません。
そこで、上気道通気障害部位の特定方法として流体解析を取り入れ、上気道の流体シミュレーションの有効性を
検証し臨床応用の可能性を検討しました。 |
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◎「上気道」の流体シミュレーション方法
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1. CT装置等から得られた”DICOM”データを
元に3D画像を構築
(「画像変換処理ソフト」使用)
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2. 構築した3D画像から”上気道”を抽出。
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3. 抽出した”上気道”を”STL”データに変換
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4. 流体解析のための形状モデルを作成 |
◎解析結果
【正常(健常)な形】
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抽出された上気道の形状
(左より上面,正面,右側面) |
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左鼻腔側での矢状断面の
上気道流体シミュレーション
(左:圧力分布 右:速度分布) |
【症状が認められる症例 (1)】
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抽出された上気道の形態的観察
(左より上面,正面,右側面) |
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左鼻腔側での矢状断面の
上気道流体シミュレーション
(左:圧力分布 右:速度分布) |
形態的観察から通気障害が疑われた口蓋扁桃部では、通気障害を示す、圧力変化と速い速度が
観察され、形態的観察と一致する(矢印)。 その一方で形態的観察では明らかでなかった
左側鼻腔にも通気障害を認める(矢印)。
【症状が認められる症例 (2)】
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抽出された上気道の形態的観察
(左より上面,正面,右側面) |
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左鼻腔側での矢状断面の
上気道流体シミュレーション
(左:圧力分布 右:速度分布) |
形態的観察から通気障害が疑われた口蓋扁桃部は、圧力変化がなく、速度も速くなく、
通気障害の所見を認めない(矢印)。その一方で形態的観察では明らかでなかった左側鼻腔に
は通気障害を認める(矢印)。
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