製品情報

Core Package

Advanced Package

Two-phase Package
二相流・混相流

CVD Package

Rhino CFD

事例

必要環境

導入費用

導入実績

PHOENICSの歴史

流体解析事例コラム

お客様インタビュー

流体解析の基礎技術情報

PHOENICS機能一覧

トップページ熱流体解析の技術コラム > PHOENICSによる家庭料理から放出される微粒子物質の暴露量調査

PHOENICSによる家庭料理から放出される微粒子物質の暴露量調査

ー 家庭調理によって生成される微粒子物質の熱流体解析

1.はじめに

調理は室内の粒子状物質(PM)の主な発生源であることが知られています。
特に、中国の家庭では西洋の家庭料理と比較すると、中国料理は特別な調理スタイルのため屋内の大気汚染割合は、はるかに厳しい環境です。
そのため、中国の住宅の室内環境に重要な影響を及ぼす要因となっています。
いくつかの伝統的な中国料理の方法には、170°C以上の高温調理が必要であることがわかりました。
フライパンによる炒め物や揚げ物などは、2.5μm(PM2.5)未満の高濃度の微粒子状の物質が生成されています。

今回の研究では、禁煙女性を含む中国人女性の肺がんの発症と、調理油煙(COF)への暴露とが関連付けられています。 いくつかの測定データは、キッチンのレンジフードが動作していても換気が悪いと、“PM2.5濃度”が、500μg/ m3以上に達する可能性があることを示しています。
また、今回の研究目的は、PHOENICSを使用して(図1)に示すように、キッチンと隣接するリビングルーム等、典型的な住宅の配置モデルを作成し、”PM2.5濃度“の微粒子状物質をシミュレーションすることにより、調理中の室内空気汚染の可能な制御手段を調査することでした。


(図1)

 

2.シミュレーションの概要

キッチンには、調理鍋、レンジフード、開いた窓、リビングルームへの出入り口があります。
バスルームを含む他の隣接する部屋は、CFDモデルには影響しないので含みません。
むしろ、それらは一定の低濃度の流入と高濃度の流出境界を持つ開いた出入口の観点から表示します。 それの体積流量と、μg/ m3当たりで時間変化する”PM2.5濃度”は、マルチゾーンコンピュータープログラム”CONTAMW3”によって決定しました。
”CONTAMW3“は、各部屋の混合された仮定を使用して、建物の部屋間、および建物と屋外の間の気流、エネルギー、物質の移動等を計算します。

(図2)


<条件設定>

1.「レンジフード」は、530m3 / hrの一定の体積抽出速度によって定義し、調理鍋は、PM2.5放出速度5 mg / minの2.5kWの熱源としてモデル化しました。

2.外部周囲温度は25°Cとし、キッチンの開いた窓は大気圧での圧力境界として定義しました。

3.キッチンのサイズは1.6m x 3.5m x 2.8m、隣接するリビングルームは3m x 4.5m x 2.8mです。

4.寸法が0.25mx 0.5mx 0.5mの呼吸空間を設置して、その中心はそれぞれキッチンおよびリビングルームの床から1.5mおよび1.2m上にあり、それぞれの異なるケース間の部屋で平均PM2.5濃度を決定しました。

5.重力効果は減圧定式化によって表し、そこでは浮力が周囲からの摂動密度に関して方程式に表現します。重力効果による粒子輸送と空気に対する滑りを表現しました。

6.乱流は、経験的な壁関数を備えた標準的な「k-εモデル」を使用しました。

7.「理想気体の法則」を使用して、温度に伴う空気密度の変動を取得し、「ドリフトフラックスモデル」を適用。


<シミュレーション実行>

1.最初にベースケースとして、上記の設定、計算をして、さらに8つのケースで、大気質を改善するために2種類の制御手段の効果を調査しました。
すなわち:
(a)COFの普及を妨げるためにキッチンの天井スクリーンを構成する。
(b)PM2.5を除去するために、リビングルームやキッチンでエアクリーナーを使用する。
各々のケースで、天井スクリーンとエアクリーナーの位置を変更しました。

2.定常状態の解析を実行して、粒子のないフローおよび熱解析空間を生成しました。
各ケースについて、粒子濃度場の時間的進化を予測するために、定常解から過渡的再起動シミュレーションを実行しました。

3.過渡シミュレーションは、1秒のタイムステップを使用して10分間継続しました。

3.解析結果

図3〜4は、それぞれ温度等高線とPM2.5等値面等高線に関するベースケースの典型的なCFD結果を示しています。

(図3)換気フードに沿った、X平面のキッチンとリビングルーム全体の温度等高線と速度ベクトル。

図3では、30°Cを超える温度のコンターを赤色で表示しています。
また、図には、わかりやすくするために0.5m/sで制限された速度ベクトルも含まれていますが、これはレンジフードのすぐ下でのみ超えています。

(図4)温度によって色分けされたPM2.5濃度(60μg/ m3)の等値面プロット。

図3の等値面は、60μg/m3のPM2.5値に対応しています。
この図は、キッチンからリビングルーム空間への調理油の微粒子の挙動をみるのに役立ちます。

これらの結果から、たとえば、キッチンの天井スクリーンを使用すると、スクリーンの数とその位置に応じて、リビングルームのPM2.5濃度が最大10%減少することがわかりました。
当然のことながら、エアクリーナーを使用すると、リビングルームの空気の質が大幅に向上しました。
両方の制御手段を使用すると、いくつかのさらなる改善が得られました。
今回の解析には、「PHOENICS-FLAIR」が使用されました。 
家庭調理において生成される微粒子の流動、温度及び濃度を解析して、そのデータを提供することで研究調査の一躍を担いました。

こちらの事例にご関心また、お問合せがございましたら「お問合せフォーム」または、メール、TELにて
ご連絡を是非お待ちしています。
<お問合せフォーム><Eメール><TEL>は、このページの右上部をご参照ください。
 
©2005 Copyright Concentration Heat and Momentum Ltd. Welcome to this Web site ! since 8/Jan/1999